2024/02/11

風邪はひき始めの対応が肝



久々に風邪をひいていました。

と言っても、私が寝込んだのは、ほんの半日。
ここのところ酷い風邪が流行っていて、症状が重くて長い。普通なら風邪の病欠は3-5日程度で済む事が多いのに、今シーズンは1週間半以上でも珍しくない。そこまで引き摺ると、肺炎など起しかける事もあるので、大変。近隣でも、スタッフ不足で閉めざるを得なかった医院まで複数出た位。

うちも家族が風邪をひいていて、うつるのはまあ当然。
実は私は開院以来、コロナで寝込んだ以外では、働けない程の酷い風邪はひいた事がない。ちょっとしんどくてお昼寝が必要とか、その程度。
それが今回はかなり苦しくて、一週間の仕事を終えた金曜日の夕方、唾を飲み込むのも痛くなり、頭から指先まで全身の痛みが出て、湯たんぽを抱えて寝込んでしまった。それでも晩には大分治まり、土曜日の朝にはほぼスッキリしていたよ。

これね、ひき始めの、まだはっきり風邪だと判らない頃の対応が肝心。
「うつる・うつらない」「ひく・ひかない」は、正確には「発症する・しない」で、「風邪をひかない人」というのは別に皮膚のバリアーではねのけている訳ではなく、侵入してきたウィルスを増殖させず、やっつけているから発症しない訳で、だから体内での戦いは起きている、どころか、実はここが一番の正念場で、時間単位で大きく変化する。この時「何かちょっと変だけれど、ピンピンしているし、大丈夫!」と無視したり、「早目の薬」で症状を見えなくしてバリバリ活動したりすると、その後しっかり発症してしまう。

今回私が久々に寝込んでしまったのは、平日の夜に往診当番医が入っていて、普通に昼間働いた後夜中まで往診が続き、最後3時に起こされて往診した時に寒くて「あれ?」と思った、そこから週末まで働き続けた、そのツケ。
それでも半日で済んだのは、やや遅ればせながらも対応できたお陰だと思う。

風邪の同居家族を隔離するのは、その前に大体もうウィルスを貰っているので、ほぼ無意味。それよりも、初期対応。
私の対応は・・・(注:健康な人の場合。慢性病のある人や後期高齢者は調整が必要。

■あれ?何かちょっとおかしいかも?位の時
  • 日に何度も鼻うがいをしてからUmckaloabo:ウィルスが粘膜にくっついて増殖するのを防ぐ。Umckaloaboはゆっくり少しずつ飲み込んで、喉にまぶす感じで。飲食すると流れてしまうので、その後暫く飲食しない。
  • コエンザイムQ10:免疫活性化に。Echinaceaも免疫活性化にいい。但し持続効果はないので、最長でも2週間。あと、自己免疫疾患の方には禁忌です。
  • 喉元、足元を冷やさない:「センサー」を冷やすと全身の血流が悪くなり、免疫細胞が充分届かなくなるため、ウィルスが増殖しやすくなる。「薄着で体が冷えたら風邪をひいた」というのは、このパターン。
  • 砂糖禁止、無理しない、睡眠をしっかり取る:炎症は砂糖が大好き。エネルギーを温存するよう、「どうしてもしなければならない事」以外は全て放置し、体を休める。

■ゾクゾクしてきたら
  • 兎に角温める:ゾクゾクするのは、体が核心温を目標値まで上げようとしている時。なので、ゾクゾクしなくなるまで厚着したり布団を重ね、湯たんぽを抱え、暑くなるまで徹底的に温めるのが大事。湯たんぽは胴の近くに置いた方が手足の先まで早く温まる。入る元気があれば、お風呂もいい。暑くなったら、次にまたゾクゾクが来る迄、脱いでいても大丈夫。
  • 葛根湯やYogiTea
  • もよく効く
  • 食欲がなければ無理に食べない:消化吸収には体のエネルギーを取られるので、負担を掛けず、エネルギーを温存する。

■普段から予防に
  • 発酵タラ肝油:毎日ティースプーンに1、2杯。油溶性ビタミンなので過剰摂取しないよう。
  • ビタミンC:水溶性ビタミンは尿と一緒に排出されるので、2、3時間ごとに少量を摂取。酸なので、歯と胃には気を付けて。

■発症後の話しも少し
  • 普通の「総合風邪薬」とか「解熱剤」とかは、私はもう長年飲んだことがない。というのは、風邪のひき始めの頃の39度以下の熱なら、下げない方がその後体がスッキリするから。(実は私、自力で熱が下がった時の、デトックスしたみたいな爽快感と体の軽さが大好き。但し、こじらせてしまった後は、もう体力が残っていないので、下げた方がいい場合もあるよ。)
  • 鼻うがいは、すると全身症状もすっと楽になるので驚かされる。逆に鼻うがいできない状況だと、刻一刻と悪くなっていくのを感じる。頻度は「したいと感じたら」。

という感じです。お役に立ちますように!
もしかして、こじらせた風邪とか嘔吐下痢の対応とかも、聞きたい?


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14 件のコメント:

  1. とても役に立ちます。私も鼻うがいはしようと思っています。まだ一度も実行はしていませんが。前ブログも再度確認しました。葛根湯は確かにひき始めに良いですね。もうなくなっているので買っておこうと思いました。

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    1. cocoさん、こんにちは。
      葛根湯を飲まなくてはいけない事は滅多にないのですが、前回の帰国の時に買ってきておいてよかった!と思いました。

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  2. ケーポス11/2/24 20:13

    初めまして。いつもブログを読ませていただいています。毎回とても勉強になります。同じくヨーロッパ在住で、簡単に病院など行けない環境です。風邪のこじらせ編もぜひ読みたいです!熱は出ないけれどもダラダラ続く風邪をひく人と高熱が出て、その後はすぐ風邪が治る人の違いなど、長年疑問に思っています。お忙しいと思いますので、時間のある時に思い出したら書いていただけると嬉しいです。海外でお医者さんになって大黒柱で家庭を支えて、凄すぎて言葉が見つかりません。これからも遠くから応援しています。

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    1. ケーポスさん、はじめまして。
      はーい、じゃあ今度書いてみますね。長年の疑問点については、後者が元気・健康な人、前者が弱っている人が多いという印象です。「熱を出した事がない」と自慢する人がいますけれど、「熱が出る程ひどくなる前に対処できている」のか、「熱を出せない体」なのかで、大違いです。
      全然凄くないので、今後もお気軽にコメントくださいね!

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  3. 凄く、ためになったよ。ありがとう!
    もうね、ここ7、8年も風邪ひいてないよ!

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    1. mさん、こんにちは。
      私もちゃんと(?)風邪をひいたのは久しぶりでしたー。

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  4. Corvallis12/2/24 09:15

    休めない仕事をしているので「悪化させない方法」はとても役に立ちます。去年の秋風邪を引いた時、日本で買ってきた葛根湯を飲んだのですが、今ひとつ効き目がありませんでした。飲むタイミングが遅すぎたのかしら?鼻うがいは昔坂上二郎さんが推奨してました。夫がしているのですが、なんだか痛そうで二の足を踏んでいるのですが。。。

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    1. Corvallisさん、こんにちは。
      葛根湯、色々な会社から出ていますよね。私が前回の帰国で買ってきたのも、「あれ?ちょっと弱め?」と思いました。薬草というのはメーカー差が非常に大きいのですが、残念ながら日本のメーカーの知識は殆どなくて。
      鼻うがい、塩水の濃度が正しければ、全く痛くありませんよ!

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  5. くま先生、こんにちは

    ドイツでは長引く風邪が流行っているのですね。
    私が住む地域では、インフルエンザB型が多いようです。
    友達が初めてコロナに罹ったと言っていましたが、熱はなく、咽頭痛と鼻水だけだったらしいです。
    咳をしてる人がマスクをしてくれたらいいのでしょうが、マスクなしで咳をする人の多いこと…
    ビビりの私は相変わらずお店に行ったり人混みではマスクが外せません。💦
    鼻うがい…やってみようとは思うのですが、飲み込んでしまいそうでチャレンジならずです。

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    1. RINKOさん、こんにちは。
      マスクなしの咳は本当に勘弁して欲しいですよね。
      鼻うがい、たとえ最初慣れなくて少しくらい飲み込んでも、全く大丈夫です。でも、ゴックンと飲み込むのは意思がなければできないので、大量に飲み込む事はないと思いますよー。

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  6. ぴんぽんまむ12/2/24 20:39

    >こじらせた風邪とか嘔吐下痢の対応とかも、聞きたい?
    ぜひ!聞きたいです!聞かせいただけたらありがたいです。
    急ぎませんので余裕がおありになるにでもよろしくお願いいたします。

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    1. ぴんぽんまむさん、こんにちは。
      おお、ここにも希望者が。
      はーい、わかりました。もし忘れたら催促して下さい!

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  7. 日本帰省中、娘が嘔吐。治ったと思ったら、帰りのフライト前に空港で気分悪い~、歩けない~となり、車椅子で登場口まで運んでもらいました。幸い、吐かず、機内で眠って、無事到着。帰宅して1日半経った今も、眠って、食事はお粥を少し。こんなときの食事や対処をぜひぜひ教えてください。

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    1. kikiさん、こんにちは。
      それは大変でしたね。
      子どもは年齢によって対応が大分違います。ちょっと考えてみますね。

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