コロナは腐ってもコロナという感じで、普通の風邪とはちょっと違う。うちの医院では、「自己検査で陽性になった」という連絡が入ると、まずオンライン診療をするのだけれど、比較的軽症な人でも色々と不安とか疑問とかあって、20分位みっちりお話ししないといけない事が結構ある。
オンライン診療は通常の診療時間外に入れて、一番のピークの時は1日に20人位あったので、かなり大変だった。でも、「これは私一人の特殊な症状じゃない」「次にこういう症状に移っていくかも」「こういう症状が出たら、こうしたらいい」というのを予め判っているだけで気持ちが全然違うと思うので、「もう質問はありません」となるまで頑張ってお話しするようにしている。
ウィズコロナになって皆さん慣れてきた今でも、そうなのだ。去年くらいまでは、隔離期間中毎日オンラインで話さないと精神的に参ってしまう人もままいたし、少なくとも2、3日ごとには様子見が必要だった。今の日本がそれ位の感じなのかなと思う。
日本では医療が逼迫しているそうだし、なかなかそうもいかないと思うので、私がよくお話しする事をここに書いておきます。
一般的な、よくある経過
1.水分摂取を心掛ける
病気の時は昼間でも眠ってしまうし、だるいので、水分摂取を忘れがち。熱があると汗や蒸発で水分を失うので、意識して沢山水分摂取すること。目が覚めたら、ちょっとベッドから起き出して、うーんと伸びをしたり、深呼吸。トイレに行ったりしてうろうろ歩き、体内の循環もよくしてやる。尿の量が多く、色が薄ければ、OK。
コロナ時には食欲が全くなくなる人も多く、その場合は無理に食べる必要はなし。消化吸収にエネルギーを消耗してしまうので、無理に食べると却ってマイナスになる。
2.熱、痛み
コロナで熱と痛みが本当に酷いのは大体最初の2、3日だけで、でも本当に苦しいので、その期間は最大用量まで服薬して抑えていい。ところが市販の鎮痛解熱消炎剤は、多くのものが3時間程度しか効かないので、「効果が切れたら飲む」では、あっと言う間に1日の最大用量に達してしまう。
そういう場合は、違う成分(商品名が違っても同じ成分の事があるので、必ず成分名を見ること!)のものを交互に服用すれば、それぞれの1日の最大用量を越えずに済む。
3.咳止め
今のコロナの咳は、第1波第2波の頃のような肺(背面)からの深い咳ではなく、喉や気管支上部(前面)からくるのが大半で、普通の咳止め薬では効かない事が多い。
色々と教えて「一番よく効いた」と言われる事が多いのは、塩水吸入。お湯を沸かして洗面器に入れ、3%相当の食塩を入れ、頭から布を被って洗面器を抱え込む感じで、その湯気を吸入する(火傷に注意!)。
ドイツに住んでいる人なら、加えて薬草シロップの「Stilaxx」をお薦めしている。咳が始まりそうな時に、ティースプーンに一杯、舐めるようにしてゆっくり飲み込む。それがなければ、普通ののど飴でも、ないよりまし。
回復して元気が出てきたら、薬草風呂も凄く楽になる。
4.鼻づまり
普通の点鼻薬(Xylometazolin)を日に2-3回。できればその10分後位に鼻うがい。
普通の点鼻薬で効かない場合は、アレルギー性鼻炎のための抗ヒスタミン点鼻薬(Azelastinなど)を併用すると、まず通る。
耳がおかしくなってきたら、必ず点鼻薬を使うこと。
5.回復期
隔離期間が過ぎたら、涼しい時間帯に小さな散歩をする。その後疲労困憊してしまうようなら、やり過ぎ。それで少しずつ距離・時間を延ばして、体を慣らしていく。
過去記事
■「風邪の常識の間違いと、私のコロナセット」
この3箇月位後にこぐまが2回目を連れ帰ってきたけれど、私(ワクチン4回+罹患1回済み)は流石にもう感染しなかった。集団免疫がつくと感染が広がりにくくなるというのは、こういう事ね。 2回目は、皆が寝込んでいたのは2、3日だったけれど、兄こぐまはしんどさと下痢気味なのがなかなか抜けず、2週間位しっかり学校を休ませる事になった。慢性疼痛の夫は、ちゃんと元気になる迄に1箇月近く掛かった。
赤ちゃんや幼児には、コロナだからと言って特別な事は必要なく、以下のような一般的な感染症対策で大概はOK。
- シロップや座薬で解熱鎮痛。鼻づまりには点鼻薬。
- 水分摂取さえきちんとできて、熱が40度を超えないように大体できれば、まず大丈夫。尿が沢山出て、色が薄いこと。肌にしっとり弾力があって、口の中が常に濡れて光っていて、泣けば涙が出るのが普通。喉が痛くて飲みたがらない時は、鎮痛剤を使って15分位待ってから飲ませる。幼児なら冷たいジュースを薄めたものとか、かき氷とかでも。
- ぐったりしている時があっても、合い間に遊ぶ元気があったり、機嫌よくしている時間があれば、取り敢えず大丈夫。
- 中耳炎?と思ったら、耳を軽く、色々な方向に引っ張ってみる。それで痛がらなければ、取り敢えず大丈夫。
妹こぐま1歳。真似してシュパシュパ吸入します。
鼻うがいもお風呂で上手にしていました。
兄こぐま3歳。
水薬には特別にストロー(普段は使わせなかった)。
ぬいぐるみが「すごいー!見せて、見せて!」と言うので、
得意になって見せてやっている。
兄こぐま2歳。兄こぐまの看病の後に寝込んだ私の様子を、
遊びの合い間に、心配そうに覗きに来てくれる。
楽しくない話題だったので、皆様にも癒しのお裾分け。
(になりますように!)
皆様も、どうぞお気を付けて、ご無事で。