2025/02/12

さあ、めしあがれ



私以外全員、風邪でダウンしています

やっと食べられるようになったので、煮込み。
塩豚にしておいた豚バラ肉を下茹でして使い、野菜も炒めず、味つけは塩と生姜だけの、優しい味にした。
妹こぐまはまだ真っ最中なので、じゃが芋と人参とスープだけ。
私は逆に、じゃが芋なし、その代わりに干し椎茸とお肉をほぼ独り占め。

二人とも最近はジャンク大好きなのだけれど、こういう薄味のも「おいしい」と言ってくれるうちは、まだ大丈夫かな。

久しぶりにまともに食べられて、翌日にはお鍋が空になり、翌々日にお代わりのリクエストが来たので、昼休みに同じのをまた一鍋作りました。




妹こぐまはまだ休ませるので、お弁当は兄こぐまの分だけ。
トマト1個、大きなパプリカ半分、長いソーセージ1本、マッシュルーム3、4個、小さな玉ねぎ1個入っている。
ナポリタンだけれど、ケチャップは使わず、隠し味にお醤油を少々。




料理本の厳しい言葉を読んで、辰巳芳子ってどんなに怖い人だろうと思っていたのだけれど、初めて動画を見て、こんなに優しくてころころ笑う人なんだー、と、心底びっくりした。あれらの苦言にもユーモアが混じっているのかと思ったら、一気に好きになっちゃったよ。「余り好きじゃない」とか言って、ごめんなさい。

こんな丁寧なお料理は普段なかなかできないのだけれど、干し椎茸でお肉の臭みを取るのはいつも真似している。
そして、この方のボロネーゼは本当においしくて、兄こぐまが今でもリクエストしてくる。





 

2025/02/09

胃腸風邪(嘔吐下痢)の話し


ずっと前に「いつか嘔吐下痢について書きましょう」とお約束したままになっていました。

ウィルス性や食中毒の胃腸炎で医者ができる事は少なく、せいぜい点滴で水分補給したり、吐き気止めや下痢止めを出す事くらい。なので、苦労して医者にかかりに出掛ける必要はない事が殆どです。
ただ、間違った対応をしていると、脱水症状になったり、長引いたりする事もあるので、注意点を書いてみます。

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夜に始まる事が結構多いのだけれど、一夜目は薬なしで、まず出してしまう方がいいと思う。

その後は、嘔吐はしんどいので、酷ければ薬を使う。
下痢は、なるべく薬で止めず、全部出してしまう方が長引かないのだけれど、睡眠が取れないと参ってしまうので、二夜目からは、夜だけ下痢止めを使う事をお薦めしている。
週末や夜間でも、地域の薬局が当番制で開けているので、困った時には「Notfallapotheke」で検索して下さい。

■ドイツで処方箋なしに買える一般的な薬
  • Iberogast:ハーブ薬で、胃のむかむかや腸痙攣をやわらげる。
  • Aktivkohle:下痢を止めるのでなく、毒素を吸収して排出を助ける。
  • Vomex (成分名 Dimenhydrinat):吐き気止め。坐薬もあり。
  • Imodium (成分名 Loperamid):下痢止め。


私自身は薬は使わない事が多いので、うちにはこの二つとしかない。

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大事なのは、水分補給だけ。
大人でも子どもでも、水分補給さえしっかりしていれば、大丈夫。
尿の色と量が普通であれば、足りています。
嘔吐が止まらない場合は、吐き気止めの薬を飲んで(それすら無理なら坐薬)、15分位待ってから。一度に沢山飲まず、少しずつ、少しずつ。
また、乳幼児や後期高齢者でなければ、半日位なら水分補給しなくても何とかなるので、頑張り過ぎず、少し収まってきてからでも大丈夫。
ただ、既に脱水症状になってしまうと、脱水症状からの吐き気も加わって飲めなくなってしまうので、そうならないうちに努力する事が大切。

■水分補給が足りていない危険信号
  • 尿の色が濃く、量が少ない
  • 口の中が濡れていない
  • 赤ちゃんが泣いても涙が少ない
  • 大人のお腹や腕の肌をつまんで、その部分が戻らずに立ったまま
これが改善されなかったら点滴が必要になるのだけれど、気を付けて努力していたら、普通はそういう事態にはならない。
私自身は胃腸風邪の時は、何も入れない紅茶が一番好き。

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消化吸収というのは胃腸にとって「仕事」なので、病気の時にはさせない方がいい。なので、無理して食べず、どうしてもお腹が空いた時には少しだけ、消化のよいものを。
子どもはすぐにげっそり痩せるけれど、元気になったらすぐに戻るので、心配し過ぎず。但し活動は、できる限りの省エネモードで。

■私のお薦め
  • バナナ、3分の1以下(子どもならもっと少し)
  • 何も塗らないドイツの白パン、ほんの一片(日本のパンは色々入っていて重いので駄目)
  • 具のない、精進出汁の澄まし汁(鰹節を使わす、昆布・椎茸だけ)
これですら出てくるようでは、まだ時期尚早なので、飲み物だけの絶食を続ける。ここで無理に食べると、それが出てしまうまで嘔吐下痢をまた繰り返すので消耗するし、長引きます。

これが問題なければ、少しずつ量を増やしても大丈夫。
御粥は米粒が崩れる位にしないと、意外に消化が悪い。それよりは、にゅうめんの方が元が粉なので消化がいい。いずれにしても、元気な時なら数口で食べられる位の、ほんの少量にしておき、その後1時間位は様子見をすること。

■避けた方がよいもの
  • 酸のある果物
  • 浸透圧の強いもの(糖分・塩分とも)
  • 脂質
  • 動物性のもの(卵や乳製品も)
乳児には普通におっぱいを飲ませて大丈夫です。脱水の心配がある場合は、合い間に白湯などを飲ませて。

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もっと詳しい過去記事

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余談:
小さかった頃、正露丸を飲むのが本当に嫌だった。確かに効くのだけれど、あの臭いがどうしようもなく嫌で、だからお腹が痛いのを必死に我慢して、なるべく黙っていたり。
瓶の中の正露丸が毎回減っていくのだけが内心の喜びで、或る日、遂に、最後の一粒を飲んだ!やったぜ、アタシ!
と思ったら、母が押し入れの奥から、その何倍も大きな新しい瓶を出してきた。あの時の絶望感と言ったら。そのシーンは今でも目に焼き付いている。





2025/02/07

おめでとう、私


誕生日には当番医バイトを入れてあった。
だってどうせ、男衆が台所に籠る間、私は居ない方がお互い楽でしょ。
と思ったら、思いっ切り忘れられたわ。

ま、誕生日を忘れられたのは、別にこれが初めてじゃない。

でもさ、パソコンを立ち上げればグーグル氏は風船を飛ばしてくれるし、あちこちのお店から「おめでとう」とクーポンメールが届いたりして、なんか、DMの方が余程マメやね。私の実家は勿論のこと、義家族からもメッセージを貰ったりして。
それに対してうちの家族がシーンとしているのが、腹が立つのを通り越して、笑えてきたよ。




前日作り置きしておいた、おでん。練り物も蒟蒻もなしなのが残念だけれど、誰もそんなの気にせず、そして誕生日に気付かないまま、大喜び。




ちょっと立ち上がれない位疲れていたけれど、仕方ない。酢豚弁当も作った。
「おいしかったー!また作って!」だって。

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そして翌日。

晩の診療を終えたら、いつもは顔も見せない兄こぐまが大慌てで階段を駆け下り、抱きついてきた。「昨日、ママにおめでとうって言わなかった・・・」

んもー、疲れが吹き飛ぶわ!

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日本からのプレゼントが間違って税関に留め置かれて、25km離れた町まで取りに行った。
アポなしで取りに行っては駄目で、オンラインでは上手くいかず、メールで用紙を送って貰い、記入してスキャンして提出したら、すぐに「はい、いいですよ。取りに来て」って・・・問題ないのに留め置いたのなら、配達してよ!

(税関の建物には幾つも部屋があるのに、駐車場には私の車一台だけ。私が行った部屋には二人も係員がいて、一人が荷物を出してくるのを、もう一人が眺めていた。そんなに暇なら、いつ取りに行ってもいいやん!)




荷物に入っていたお宝。終業後、こっそり一人で、夜の楽しみ。これはもう、誰にもあげないもんねー。





2025/02/04

ちょっと疲れた


かなり忙しかった日のこと。

朝から予約も普通に一杯で、更に病院送りが一件、死体案件往診が一件。
時間外になだれ込み、昼休みなしで書類仕事をしていたら、夕方の妹こぐまお迎えアラームが鳴った。
「えーっ?もうそんな時間?!」と、身体に鞭打って出掛けたら、人っ子一人いやしない。早く着き過ぎたかと、暫く待ったけれど、どうもおかしい。
予定がなくなったのを、私に言い忘れたんだって。

帰り道、精神の伸びきったゴムがぺちんと切れる音がした。

いつもは晩の診療前に五分十分でも横になる事にしているのに、そんな時間ももうないので、普段なら夕方以降は飲まないコーヒーをがぶ飲みし、普段食べないチョコレートを頬張り、晩の診療に突入。

書類仕事まで全部終えたのは、もう夜中になっていた。



これは仕事のカレンダー。色が付いているのは、当番医バイトとか勉強会とか、通常の診療外のアポが入っている日。ちょっと詰め過ぎたか。
因みにその左側は今日の診療スケジュールなのだけれど、濃いピンクのところはダブルブッキング。





2025/02/02

梯子とか崖っぷちとか


たまたま見つけて、何か勇気を貰った動画。




一番最初にこれを見始めて、普通の軽装で足元も運動靴だし、ただの危ないチャレンジ系かなと思ったのだけれど、途中から、この子の脚力や身軽さに見入ってしまった。
そして、この梯子を作った人がいるとか、元々の住民は洗濯機とか山羊とか担いでこの梯子を上り下りするとか、凄過ぎる・・・。

(まだここまで整備されていない時代に、村人たちが大きな荷物や子ども達を担いで、片手に荷物とか自撮り棒とか持って歩いている動画も見つけた。)





スタスタ外側を歩いているのは現地の人なのか?

これら以外にも幾つか動画を見たけれど、「足が言う事を聞かなくなったので、ここで引き返す事にします」というようなのが幾つかあって、命をちゃんと大切にしているのがいいなと思った。




そしてこの運河。自動翻訳では作り方の肝腎なところがよく解らなかったのだけれど、これを作ったおじいさんの語りが凄い。自分の手で、ここまで暮らしをよくしたんだなーと。

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どれも、こんなところに、こんなものを作って生活する、中国人の底力に感心させられた。

そして、崖っぷちとか梯子で、怖くて足がすくむ感じの箇所。
誰も助けになんて来てくれないから自分で歩いて脱出するしかない現実があり、いっそ落ちてしまえばゲームオーバーにできるという考えも一瞬過る感じで、嗚呼、正に、私の崖っぷちはこんな感じだったなあ・・・(こんな絶景ではなかったけど)と、自分の心の中の情景を可視化して貰ったような気持ちになった。

私も、もう少し頑張ろう。