2023/02/28

ブリューゲルへの旅



最近疲れてしまったのは何故だろうと考えていた。

私はインターネットが大好き。子どもの頃は物書きになりたかった位、書くのも大好き。
今迄のブログで、素晴らしい出会いも沢山あったし、皆さんの心のこもったコメントに励まされて歩き続けてきた。なので「やめる」という選択肢は今のところない。

のだけれど、最近インターネットの性格、それに伴って人々の思考や行動が変わってきたのをとみに感じる。

韓国でのハロウィンの事故の時にSNSで一斉に流れて来た、人が苦しみ死んでいく様子の地獄絵図。それが一週間も経てば「あれ、そんな事あったっけ?」と言いたくなる位の忘れ去られ方。
その辺から、私の中で黄信号が光り始めた。

「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が出てきて、動画サイトで映画を倍速で観るとか、ファスト映画といって要点だけまとめたものを観るとか、音楽も好きなサビの部分だけ聴くとか、イマドキはそういうのが結構普通になってきているらしい。
書いてある事を斜め読みしての早とちりで炎上したり、それが早とちりのまま更にどんどん広まって意図せぬフェイクになっていったり。

折角目の前に素晴らしいものがあっても、取り敢えず写メとか動画を撮ってすぐに立ち去るとか、目の前のものを無視してスマホを覗き込み、今撮った動画を確認しているとか。
そこまで「タイパ」を追求して集めた時間でスマホをスクロールしているだけって私は虚しいと思うし、時には「退屈」な間(ま)も起承転結もあってこその芸術だと思う。

ただ、そういう流れに自分自身も、やや影響され始めている気がする。
はっと気付いたら、無意識に斜め読みしていたり。
文学とか芸術とかを腰を落ち着けてじっくり堪能するのが、ちょっと意識しないとできなくなっている事に気付き、「これはヤバいぞ」と。

そして、自分で言うのも何だけれど、私自身の記事も最近の方が面白くなくなってきている気がする。今の私、ネットの世間にがんじがらめになって、差し障りのない事ばかり書いていやしないか。
そういう自分が、自分でも嫌。ブログを突然やめてしまう人の気持ちが初めて判った気がした。

ブログのために生きるのではなくて、ブログは飽くまでも私が生きている副産物にしておきたい。ブログのためやウケ狙い、叩かれないための逃げじゃなくて、私が撮りたい写真を撮り、書きたい事を書き続けたい。

それで、今回の旅は、ちょっとしたリハビリ、見つめ直し。
立ち止まって、芸術や歴史の悠久の時の流れに身を置いてみる。
自分の五感で楽しみ、時には敢えてカメラを出さなかったりもした。
(ああ、でも帰宅して見るとやっぱり、もう少し沢山、思い出写真を撮ってもよかったかも。また行かなくちゃー。)


「ブリューゲルへの旅」中野孝次
(↑Amazonリンク)
往路は久しぶりにこの本を読みながら。



「モモ」ミヒャエル・エンデ
(↑Amazonリンク)
1973年だって!
エンデは50年前に既に予言していた訳ね。



という訳で、旅行から帰って来て、まず、ランキング参加から引退しました。
ランキングのお陰で素敵な出会いが一杯あったし、ランキングのRSSフィードから来られる方も多くて、私自身もリンク集代わりのような使い方をしていたのだけれど、一度流れから下りてみます。
それでもいいよという方に、引き続きお付き合い頂けたら幸いです。




2023/02/26

誕生日ありがとう


旅行記に入る前に・・・


少し前に誕生日を迎えました。

スタッフがサプライズで手作りケーキと花束を持って来てくれたので、それならと診療時間後、ガレージの隠し場所でキンキンに冷えていたアルゼンチンワインを出してきて開けて、皆でケーキを食べながらぺちゃくちゃお喋りして、凄ーく楽しい時間を過ごさせて貰った。
実は夜中、妹こぐまの調子が悪くて余り眠れなかったスタートの1日だったのだけれど、これで復活。



残りは家族と。




こぐま達は前日に、初めて自分達だけでケーキを焼いてくれた。子どもでも焼ける、計量カップ付きのレシピ本を貰ったの。



可愛いのが焼けた!
極甘だけど、いいの、いいの。




兄こぐまが初めて作ってくれた、手打ちパスタ。こちらは夫も一緒に手伝ったけれど、飽くまでもシェフは兄こぐま。震える程おいしかった。
買い物も兄こぐまがリストを見ながら自分で。卵も割れていないか一つずつ持ち上げて確認するし、賞味期限とかパッと見てから買い物かごに入れるのとか、いつの間にかこんなに大きくなったんだなー。




別の日に妹こぐまが初めて作ってくれたピザ。これも上のレシピ本からで、夫と兄こぐまに手伝って貰いながら、でも初めて自分で。



幸せに50歳になりました。

「ママも年を取っちゃったねえ」と言ったら、妹こぐまがむきになって、「ママ、若いよ!年を取るというのは、100歳になったら、だよ!おじいちゃまだって、まだ100歳じゃないでしょ、だから若いよね!」と、その根拠は一体何やね、という位の断言ぶり。
そうしたら兄こぐまが、「じゃあ、今ちょうど真ん中だねえ」だって。
高齢出産の有難さは、こういうところかも。

最近、年月が飛ぶように過ぎていく事に、ちょっとした恐怖が伴うようになってきた。このスピードで衰えていくのかなとか、2046年のローン完済まで働くのもきっとあっと言う間だなとか、そうしたらお役目御免になるのかなとか。そういうの、少し前までは考えた事もなかったの。
でも、まだ真ん中なのか。ガンバロウ。




2023/02/24

母子旅行からただいま!


さて、先日書いた通り、アムステルダム行きの代替案を迫られた。
カーニバル中は余りにも狂乱している所には行きたくないし、北ドイツの方はまだ天気も悪く、南のスイスやチロルは冬はスキーシーズンで高い。だから美術館ならぴったり!と思ったのに。

それで、ふと思った。ブリューゲルとかクリムトとか、二十数年前に見たきりやわ。また見たいなあ。よし、そっちに行くか。
ところが、キャンセル不可のホテルを予約してから、夫が「具合が悪くてやっぱり無理」と言い出した。またかよ・・・。以前チロルでも同じパターンで、それでも何とか言いくるめて連れ出したら、結局は夫も楽しんでいた。だからまた車で連れて行ってあげようかと思ったのだけれど、片道700kmを一人で運転するのは、ちょっとしんどいな。

昔ならパパなしでは「行かない」と即答していた兄こぐまが、それでも行きたいと言う。私が「もしかしたらパパも行けるかも」と、電車のチケット購入を少し待っていたら、「待っても無駄だよ!チケットなくなっちゃう!」と、半泣きで逆ギレする始末。

そうねー、こぐま達は夫に振り回されてばかりの人生だったから、たまには別行動するか。兄こぐまと夫はお互いに依存し合っているようなところがあるし、いい機会かも。
という訳で、行ってきました、母子旅行。兄こぐまが小さかった頃には何度もしていたけれど、妹こぐまが生まれてからは初めてかな。




アムステルダムに貸し出し中に決まっていると思っていたのに、貸し出してなかった!という、嬉しいおまけ付きだった。



2023/02/19

一夜の夢


過去最大のフェルメール展が2月10日からアムステルダムで始まったというニュースを読んだ。何と28点も集められているという。会期は6月まで。

ほほーう、と調べてみたら、アムステルダムまで電車で半日位。ベルリンより近い位。行けるやん!
こういうのって評判が評判を呼ぶし、今ならアジアの観光客はまだ少ないし、始まったばかりの今、さくっと行ってみるか。
よく後延ばしにする私にしては珍しく、すぐに行動開始。美術館の入場券を購入。ホテルも押さえた。やったー!

さて、「特別展の入場予約のやり方は、美術館の入場券を購入後、そのチケットに書いてあるので、お忘れなく」と書いてあったのだけれど、探しても探しても、やり方が見つからない。そこ迄でもう夜更けになってしまったので、就寝。

翌日、引き続き探しまくり、「もう問い合わせするしかないか」と思ったら、入場券購入のところじゃなくてフェルメール展の説明のところに見つけた。
「フェルメール展の入場予約に、もう空きはありません」
なぬー。始まってまだ一週間足らずだったのに、6月迄の全会期分、もう予約一杯だとは。入場券購入ページの特別展入場に関するところに書いておいてよー!(フェルメール展の説明なんて読むまでもないわ、と読み飛ばしていたのか、前日にはまだ書いてなくてタッチの差だったのか。)
うわーん、あれもキャンセル、これもキャンセル。

短い夢でした。

収まらないのはこぐま達。だって、こぐま達はフェルメールなんてどうでもいい、旅行したかっただけだもんね。という訳で、どこか別の旅先を探せとプレッシャーを受けています。
でもさー、例えばお寿司を食べる気満々になっていたら、「満席だからラーメンにしよう」って言われても、幾らラーメンも大好きでも、そう簡単には切り替えられない。それと同じで、もう気持ちがすっかり美術館になっていたので、「どこか」と言われても難しいのだ。うう。




先日買った苗木。花期が早いので、ヒガンザクラの仲間なのかな





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2023/02/18

ちょっと休憩


コメントのお返事も気長にお待ち頂けると幸いです。何があった訳でもなく、元気にしていますので、どうぞご心配なく。




夫が動かないので、私が兄こぐまのサッカーに付き合わされた。小学校の体育以来?
自分の動きがスローモーションなみに遅くなっていたのは、地面がぬかるんで滑るせいにして、でもそれより何より、サッカーボールって、この歳になるとめっちゃ痛いわ!




疲れた頭と心に沁み渡り、最後まで見終わる頃には笑顔になっている。Be happy! 声さえあれば、もう何も要らないんだな。凄い。





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2023/02/11

ママ、たいへん


夢を見た。

私は高校生で、大好きな先生のところに進路の相談をしに行った。
もう夕闇で薄暗い廊下に、まだ残っている先生の部屋の光が差し込んでいて、ドアの後ろに先生がいると思うと、開ける時に心臓がトクンとした。
向こう見ずに「私、医学部に行こうと思うんです」と言ったら、呆れもせずに「そう」と受け止めてくれた。

もっと先生の姿を目に焼き付けていたかったのに、そこで目が覚めてしまい、もう先生はこの世に居られないのだと気付くのに少し時間が掛かり、改めてがっかりし、心臓のトクンとした感覚だけがまだ生々しく残っているのが侘しかった。


起きてから、その日の仕事は凄く大変で、お昼休みどころか「一口お水が飲みたい!」と思いながら夕方まで続けてしまったり、チョコレートでのドーピングが必要になった位で、久しぶりに頭痛まで。書類も全部終わらせたら、もう晩になっていた。

おまけに今週は、患者さんの苦しみを見て、喉元がカーッと熱くなる位腹の立つ事も幾つかあった。

また、心電計のトラブルでメーカーの技術者とやり取りし、夫に実験台になって貰おうと思ったのに、そこに寝転んでいるだけでいいのに、「具合が悪いから」と断られた。寝室のベッドで寝ているくせに。やっぱり私は一人で背負わなくちゃいけないんだ、と、改めて思い知らされて、ちょっとショックだった。

晩にふらふらと住居に上って行ったら、兄こぐまが「ママ、たいへん!」と叫んで飛んできて、ぎゅーっと抱き締めてくれたので、涙が滲んでしまった。
兄こぐまは、いつもなら自分はどっかり座って動かず妹こぐまを顎で使うのに、「ママ、あれいる?これいる?」と甲斐甲斐しく気を遣ってくれて、台所まで小走りで何か取りに行って、戻って来たらまた抱き締めてくれたり。




十年前、ストラスブールのPAULで。

こんな小さかったこぐまが、私をすっぽりと抱き締めてくれるようになるなんて。大きくなったなあと思う反面、まだ子どもなのに夫の代わりに労ってくれるようになるなんて、申し訳なさも一杯。




この歌を聞くと、自分に語りかけられているみたいで、
心は少女時代に戻る。






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2023/02/09

山羊達と編み物クラブ




わあ、ちょっと、タンマ、タンマ!



親ヤギは立ちあがると凄く背が高い。



妹こぐまに対して立ち上がるのは子ヤギだけ。



だって、親ヤギは立たなくても届くもーん。



もっとサラダ菜頂戴よ!



何か真剣に説教されてるけれど、羊耳東風。



さて、この日は何だか矢鱈と編みにくいなーと思っていたら、編み方を間違えていた。ガーン。




正しいのはこちら。この人説明上手~。




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2023/02/06

日頃の感謝を込めて


私は自分が被雇用者だった時の反面教師を大切に、なるべくよき雇用者であろうと心掛けている。幸い気心知れたスタッフなので、彼女の笑顔が輝かなくなったら「あ、私何かやらかしたな」と思うようにしている。

でも雇用主としてはまだまだ新米で、私自身がいっぱいいっぱいになる時もあるし、文句を言わずに我慢しちゃうタイプのスタッフだからすぐ気付けなかったり、色々本当に難しくて、いつも試行錯誤

スタッフは医院の宝なのだから、他で節約してもスタッフは節約しちゃ駄目。スタッフのストレスを減らし、気持ちよく働いて貰う事が、回り回って皆のため。というのを繰り返し自分に言い聞かせ、心するようにしている。



さて、今年は久しぶりに医学メッセに行った。2020年に行って以来。

2019年、開業の1年前。まだ医院の工事も始まっていなかった頃、「未来のスタッフ」だった彼女と一緒に行った。二人とも初めての医学メッセでアウェイ感が凄く、何もかも普段の生活とは桁違いに高いものばかりでビビりまくり、それでも頑張って課題リスト片手に丸一日、あちこちのブースで説明を聞いたり質問したりして回った。分厚いカタログを山のように貰い、どんどん重くなるリュックサックを背負って、せかせかと。
その時、高いけれど素晴らしい事務椅子に出会った。私には要らないけれど、彼女には買いたいなあと思っていたのを、この度遂に買いに行けた。
改めて色々座り較べて貰って決めて、サイン。届くのが楽しみだー。




4年前も、このシナモンシュガー・デニッシュを買って持って行った。私達二人とも普段は甘いものは殆ど食べないのだけれど、薄暗い通路のベンチで短い休憩を取り、「疲れた体に甘いのが染みるー♪」と食べたのが忘れられない。
メッセではワクワク感もあった筈なのに、今となっては、大海に小舟でポツンと出てしまったような心細さしか覚えていない。

今回は買い物は椅子だけだったし、もう知り合いのブースが幾つもあって「その後どう?」とかお喋りして回れて、気楽なもの。

そして、椅子を決めた時の彼女の輝く笑顔と言ったら。
後になって、当時の苦しかった思い出が次々と蘇ってきて、こみ上げてくるものがあった。
私が何も持っていなかった時から私を信じてついて来て、一緒に踏ん張ってくれて、有難う。と、改めて伝えたのでした。





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2023/02/04

かぎ針編み、その後




妹こぐまのマフラー、大分進んだ。いつになったらオレンジ色が出てくるのかなーと、楽しみにしている様子。




兄こぐまは犬と遊ぶ方が楽しくて、全然進まない。妹こぐまに置いて行かれると余計にモチベーションが下がるので、ちょっと手伝って貰った。




私のアクリルたわし、左が円形1枚目、右が3枚目。
かぎ針をどの穴に突っ込めばいいのか、やっと判ってきた!わはは。





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2023/02/01

続・橇遊び


難しい症例があって、土曜日ずっとPCに向かっていて、終わった時にはかなりふらふらになってしまった。最近は疲れると床がふわふわして歩きにくくなるし、鼻血まで出てくるし。これはいかん、と後はのんびり。

日曜日は朝早起きして、事務仕事だけ済ませ、さあ、橇遊びに行くぞー!雪がある週末というのは限られているので、もう、何はさておき、という感じで。




この辺の子ども達はもう遊び尽くしたのか、他の人は殆どおらず、私達のプライベート斜面みたいだった。




草地が見えているところもある位雪が薄くなっていたけれど、融けた表面が凍って氷になっていて、よく滑って最高!
草の上も凍っていて、雪がないところでも止まらず滑り続ける位。




雪質によって楽しい橇が違うので、色々と持って行った。
ハンドル付きのプラスチックの橇がどうしてもどうしても欲しくて、パパに買って貰ったの。やれやれ。




ペンギン滑り。友達も一緒だと盛り上がるね。
斜面の表面がつるつるの氷になっていて、筋になって反射しているの判るかしら。




暖かいと滑りが悪い。寒過ぎると顔が痛くなる。
この日は丁度良くて、いっぱい遊びました。





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