貰った時に笑い転げてしまった、ガラス細工のハエ。
蠅なんて大嫌いなのだけれど、この子の目と口がめっちゃ可愛い。
書きかけで放置してあった記事が沢山あるので、どんどん行きます♪
今日のは長いよ。
お金の話しは書くのが難しいのだけれど、でも全く関係ない世界のそういう突っ込んだ話しが面白い事もあるので、ちょっと書いてみます。
いちいち断り書きしませんが、全部「ドイツの」「家庭医院の」「私が知る範囲の」話しで、国や科によって事情は全く異なりますので、誤解のないよう。
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開業医と言えば、多分お金持ちのイメージ。私なんて昔は、「億単位のお金をかけて開業」とか聞けば、「へえー、それだけ儲かるんだ」と斜めに見ていた。
以前にも書いたけれど、ドイツでは、家庭医の平均収入は他の専門医と較べて恐らく最低だけれど、それですら動くお金は大きい。そりゃ、保険税金は勿論として、設備を整え、何人も雇って給料を払い、家賃・光熱費などの経費や維持費を払うのだから、入る額も出る額も、雇われだった時とは文字通り桁違いな訳で、ちょっと想像を超える、未だに現実離れした感じ。
出入りが大きいからと言って、懐に入る分が必ずしも多いという訳ではない。ただ、定給で雇われているのと違って、やり方次第で収入を増やそうと思えば増やせる、そこが違う。
例えば私は、急患以外の普通の予約は20分枠というのんびりペースで入れている。単純計算で考えれば、それを10分枠にしたら2倍、5分枠にしたら4倍稼げる訳。
ローンを組んだ銀行から送り込まれた経営アドバイザーを私が契約継続しなかったのは、一つの枠を短くしろとか、鍼灸を二部屋同時進行でしろとか、そういう方向での効率アップを提案してきたから。まあ銀行の手先としては、どんどん詰め込んで、がんがん稼いで欲しいわな。
でも効率アップによって自分のキャパを超えると、見逃しやミスが出がちになるので、開業してやっと自分で決められる今、もうそこは譲らない。
ただ実際には、内容によって20分かからずに済む事も結構あって、急患や、風邪のオンライン診療をそこに入れる。でもそれって、最初から詰められているのとはプレッシャーが全然違うのだ。
念のために言うと、「詰め込んでいる医院=お金のためにやっている」という訳では、決してない。お願いされたら断れないのは日本人だけではなく、医者というのは人助けをしたくてなったという人が多いので、自分のキャパの線引きは凄く難しいの。
私は経営者としてはまだまだ新米なので、経営に関する決断は本当に難しい。
それに、今働いたお金が入ってくるのが数か月後なので、軌道修正しても結果が出るまでに随分長くて、「しまった!」と思ってからが長い。
兎に角ややこしい収入の内容や入金日もまだきちんと把握できていなくて、待ち焦がれていた入金が、血の気が引いて「こんなんで足りるかー!」とちゃぶ台をひっくり返したくなる位少なくて、支払いの度に身を切られるような思いをしていたら、予期していない時に「あ、入ってるわ」とまた息ができるようになったり(今ココ)。本当はその辺もう少しちゃんとしなくちゃいけないのだけれど、余りそこに時間と労力を割きたくない。というのはただの言い訳で、実際には、動く額が日常生活とは桁違いで、簡単にやりくりできない大きさなので、目を背けていたい現実逃避の部分が大きいかも。あかんのう。
でも年末前には、流石に落ち着いて向き合って計算しました。倒産した例も身近に複数知っているし、スタッフの生活も背負っているからね。
ま、色々と方向転換やら調整やらを繰り返して、最善の道を探していこう。
絶対に潰させませんし、資本の体は大事にしていますので、ご心配なく。
余談:
プライベート保険や自費診療の患者さんがお金になるというのは、普通の家庭医にとっては、今は昔。
プライベート保険の点数表は、何と1982年(1996年にごく一部改正)のもの。しかも手術や専門医の特殊な検査などと違い、家庭医が普通に請求できるものは元々点数が低い。
例えば普通に15分位かけて診察して処方箋を出して、21.44ユーロ。そこから、税金や維持経費は勿論のこと、請求から振込確認までの時間外事務の時給、請求書の切手代プリント代まで引かないといけない訳で、大体3分の1位しか残らないと言われている。
往診でも、電気屋さんに出張修理を頼むより安いので、請求書を出して「少ない!」と驚かれる事もよくあるのだけれど、点数表通りにしていると、そうなる。
それでも特別扱いを求めたり、支払いを渋る人もいるのよ。更に支払い忘れとか金額間違いがあったらいちいち連絡しないといけなくて、気を遣うし手間も掛かる。
そもそも請求書は、うっかり請求し過ぎたら(例えば予定していた事を結局やらなかったのを消し忘れたりとか)犯罪になりかねないし、逆に予定外にした事を請求し忘れたら只働きになるので、もの凄く気を遣う作業。実際にやった事は自分達しか知らないので、外注してもここが楽になる訳じゃない。
だから家庭医のところでは、公的保険で肩身の狭い思いは不要です!
今はこういう気分。なので大丈夫よ。
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蠅と言えば・・・で、久しぶりに読んだ。
このヒロイズムというか、カッコよさというか、
そう上手くいくかよ!という設定に踊らされる感じが、
実はちょっと苦手な「大人」になってしまったけれど、
読むとやっぱり子どもの頃の純粋な気持ちを思い出す。