今回のウィーン行きの本来の目的は、美術館巡り。
私の最初の美術展の記憶は
レンブラント展で、今の妹こぐま位の年齢だったと思う。訳わからなかったなりに、未だに覚えている絵もある位なので、こぐま達もそろそろ連れて行っても可哀想じゃないだろうと考えた。
「今回は芸術の旅だからね」「付き合って貰うからね」というのは最初から宣言して、覚悟させておいた。
勿論、美術館の合い間には
子どもが好きなプログラムを入れる。あと、あれこれ観られなくても、思う存分の長居はできなくても、そこは我慢する。
それでこぐま達は、行ってみたら「恐れていた程大変ではなかった」と思ったのではないかな。
兄こぐまは何度か、「ぼく、芸術はわかんなーい」と口にしていたけれど、「わからなくて、それでいいんだよ」と言ったら、ちょっと安心していた。
ベルヴェデーレ宮殿は、今回初めて行った。凄く素敵だと思ったのは、クリムトの描く花と緑。独特の金を使っていなくても、サインを見なくても、クリムトだと判る絵を描くって、凄いよね。一番好きだったのが「Nach dem Regen(雨の後)」。
階段を歩いている妹こぐまに、おばさんが「まあ、ちょっと、この子の服、クリムトの花畑そのものじゃないの!」と声を掛けてくれた。ので、記念撮影してみた。
因みにベルヴェデーレ宮殿、トラムだと目の前なのだけれど、地下鉄だとちょっと離れていて、行きは「通り抜けの近道なのかな?」と、人の流れについて行ったら大きな公園みたいなところに出て、訊いてみたら学校の敷地に入ってしまっていた!
帰りはグーグルナビに延々と歩かされた挙句、また入り口に戻って来てしまって、がっくり。最終的には通行人に訊いて解決。
中に大きな庭園があって、上宮と下宮を観る合い間におやつを出してベンチで休憩。ネットで見たら、夏は噴水が素晴らしいのね。冬なので勿論水は抜かれていたよ。
セセシオン、以前来た時は確か真っ赤に塗りたくられていて、本来の姿を見るのはこれが初めてだと思う。隅々まで美しいわー。
入る予定はなかったのだけれど、こぐま達に訊いてみたら「いいよ」と言うので、じゃあ、この部屋だけ。これは壁画だから、ここに来なければ絶対に観られないもの。「まさか観られると思わなかった!有難う!」と言ったら、こぐま達も満足そうだった。
美術史博物館の入り口ホール。もうこの空間が芸術そのもので、素晴らしい~。ああ、新しい眼鏡を作っておいて、本当によかった!踊り場には百合がどっさり花瓶に活けてあって、香しかった。
「カフェで休憩」というご褒美を挟めば結構粘れるかと思ったのに、その日に限ってカフェがもう閉まっていて、残念。
短い滞在時間の大半をブリューゲルに費やし、あとはフェルメールと、このホールのクリムトの壁画。
絵画なんて要は好みなので、私は一枚ずつゆっくり鑑賞などせず、好きな絵だけを延々と眺めるタイプ。
時間帯にもよるだろうけれど、そんなに混んでいなくて、基本的には人に邪魔されずにゆっくり観られる。有名どころの絵にはやや人が集まるものの、延々と見続ける人は本当に少なくなっていて、多くは写メを撮ったらすぐに立ち去るので問題なし。スマホ文化万歳!わはは。
ソファーがあちこちに置いてあって、絵によっては座ってのんびり観られるのも最高。なので、暫く座って待っていたら、「フェルメールを独占」などという時間も訪れるのだ。
あと、この写真の右奥にちらりと写っている聖ペーター教会のオルガンコンサート、子連れには気楽で凄くよかった。
平日ほぼ毎日15時から、入場無料(喜捨のみ)で、私達が行った日は4曲で、多分30分強位だったので、興味のない子どもを連れていても何とか大丈夫。
オルガンの音に包まれて座り、教会の内部の装飾を眺める。しかも途中から午後の光がさーっと差し込んで、金が照らされて光り出したのは、無宗教の私にまで神々しいものを感じさせる程で、教会の設計って本当に凄い。
子連れ芸術の旅、意外に楽しめた!
ウィーンの美術館の多くが、12歳未満の子どもは入場無料なので、長居できなくても勿体ないと思わずに連れて入れるのも素晴らしいわ。
(嗚呼、でも兄こぐま、もうすぐ12歳やわ・・・。となると交通運賃も大人料金になるし、厳しくなるなあ。)