2023/11/10

夫を雇う


今迄でも、最近の夫は色々やってくれていた。毎朝の換気、医院前の落ち葉掃除や雪かき、コンピューター関係のこと、私のドイツ語の添削、器機の掃除や修理・・・
ただ、全くあてにならなくて、「今!」という時に連絡が取れなかったり、起きてこなかったり。スタッフが急な病欠になった時、採血か、せめて電話番だけでも何とかお願いできないかと訊いても、きっぱり断られたり。

ファイナンシャルアドバイザーと税理士には最初から「夫君を雇ったら、雇用主として支払う年金は税金控除できるよ」と薦められていたのだけれど、当時の夫は全くもってそんな事をできる状態じゃなくて、幾ら税金で有利になると言われても、全く仕事しない人を雇う気にはなれなかった。
(追記:三年寝太郎どころか優に十年寝太郎で、夫の奨学金も私が全額返済し、生活費は勿論、夫のプライベート年金も私が積み立ててきたし、税金の関係で家敷地の約三分の二を夫に贈与し、でもローンは私一人で支払い、しかも夫に医院の家賃まで払っているのだ。無為の人に更に給料なんて、幾らトータルで得になると言われても、私の気持ちとして「やってられるか」という感じだった。)
落ち着いてきてからも、時間数はどうするか、家族保険の枠を超える方がいいかよくないか、など、なかなか決まらなかった。

それが、この11月から、いよいよアルバイトとして正式に雇用が始まって、タイムカードのチップも用意した。対人仕事はまだ荷が重いので裏方としてだけ、家族保険の枠を超えないミニアルバイトで。

医師免許を持つ夫を雑用アルバイトとして雇うのも、私がボスになるのも、夫の気持ちとしてはどうなのかなー、と懸念していたのだけれど、初めてタイムカードを押して「これでぼくも一員」と、純粋に喜んでいた。

いそいそと、ずーっと溜まっていた仕事を片付けてくれて、あっちも、こっちも、と小さな事にも気付いてくれて、私が「ちょっとー、超過勤務やめてよ!」と冗談を言う位。



1年以上前に買ったケーブルトレイも、やっと取り付けて貰えた。小さな事だけれど、コードがごちゃごちゃぶら下がっているのが、凄く目障りだったの。
(自分で適当に付けると色々と後でけちがつく。)

夫も「仕事」としてきちんと見られるし、私もただ単にお願いしている心苦しさや遠慮がなくなり、双方気持ちがスッキリした感じ。実際にやって感じてみないと判らない事だから、凄くほっとした。きちんと仕事できない時に始めたら、なあなあになってしまっただろうし、今回とてもいいタイミングだったなあと思う。
今迄は電話しても反応してくれない事の方が多かったのだけれど、「これからは、ちゃんと携帯電話が聞こえるようにしておかなくちゃ」とやる気を出してくれて、私も「何かあっても誰も助けてくれない」という崖っぷちの気持ちが大分楽になった。

少しずつ、少しずつ、前進できているのが凄く嬉しい。





24 件のコメント:

  1. Firenzemii10/11/23 20:26

    ブログを読んでいるだけの私もとっても嬉しい

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    1. Firenzemiiさん、こんにちは。
      うふふ、有難うございます♪ 一緒に喜んでくれる方達に囲まれて、私は幸せ者です。

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  2. 旦那さま、おめでとう!医院の職員だね。
    本当、最近は、グッジョブだよね。良かったね!

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    1. mさん、こんにちは。
      はい、皆さまには本当にご心配をおかけしました。有難うございます。

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  3. わぁ☆ すごく嬉しい前進!ポルトスさん、やったー!
    良い風が吹き始めて、良いバランスがとれてきましたね☆ とっても嬉しいです!

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    1. papricaさん、こんにちは。
      うんうん。開業するもっと前、「この人は外で働くのは無理だな」と判った時、家で何とか仕事を作ってあげられないかな、とゲストハウスとか色々考えたのだけれど、構想の段階で「無理に荷を負わせる事ばかり」と怒ってしまって。今回は満を期してという感じのタイミングでこういう形にできて、よかったです。

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  4. 何も頼るものがないという気持ちから、少しでも手応えが感じられるようになるって、精神的には全く違った環境ですよね。良かったですね。(^^)/

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    1. 川越さん、こんにちは。
      例えば医院前の雪かきなどは必須の仕事なので、あてにできないと念のために私が毎朝早く起きるしかなくて。きちんと任せられるというのは全然違うんだなーと、気持ちが楽になって初めて気付きました。

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  5. 夫さん、ここまでできるほど回復したんですね。よかった。読んでいるこちらまで幸せになりました。

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    1. Corvallisさん、こんにちは。
      週末なのに、皆さまからこんなにお祝いコメントを頂いて、本当に有難いです。
      家族三人をおんぶして、全員分の荷物も私が一人で担いで歩いていたような年月から、皆が自立歩行してくれるようになり、今は何と私の荷物まで少し持ってくれるようになった感じで、感慨深いです。

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  6. 「よみがえる」と言うか「戻ってきた」大熊さんと言う感じがいいな。

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    1. fuskさん、こんにちは。
      そうですね。やっと、やっと、おかえり!ですね。

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  7. 換気扇に続いてうれしいニュースですね。くまさんがおっしゃる通りタイミングがぴたりと合ったということだと思います。「自分が働いて手にしたお金」が定期的に入ってくるというのもご夫君には大きな意味があるのではないでしょうか。

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    1. melisandさん、こんにちは。
      はい、きっとその通りだと思います。まだまだ極甘の契約ですが、少しずつ、一歩一歩。

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  8. これは「いいね!」ボタン50回押し案件かも!
    お子様方も、ご飯を作ってくれたり、ママがしんどい時は気遣ってくれたり、(大人料金は財布に痛いけど)成長著しくて、次に気付いたら「頼もし過ぎて寂しい」くらいになってるかも!?(うちは既にたまにちょっとそう感じる段階なので)

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    1. penguinophileさん、こんにちは。
      あはは、50回押し!
      子ども時代って、本当に短いですよね。何とか頑張らなくちゃ。

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  9. よかった~。カナダよりエールを贈ります~♪

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    1. Cecileさん、こんにちは。
      こんなに皆さまからエールを頂いて、本当に幸せです。有難うございます。

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  10. 最近は楽しい内容で嬉いな〜と思っていました。
    でもでも、ここまで嬉しいことってないですよね。感激です。
    遠いドイツの、素敵なご家族をこれからも心より応援しています!

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    1. カズさん、こんにちは。
      有難うございます!皆さまに励まされて、ここまで辿り着けました♪

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  11. 良かった~!!!
    とにかく、よかった♡

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    1. ひかりさん、こんにちは。
      有難うね~。ひかりさんは、どん底初期を体験済みだもんね。今度遊びに来てくれたら、挽回させてね。

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  12. 水車小屋13/11/23 08:30

    現実を見ていたから尚更嬉しいです。風が通ってきましたね。そよそよ〜。

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    1. 水車小屋さん、こんにちは。
      何と言っても、台所とランプが最初の転機になったので、本当に感謝です。お礼にお手伝いするから呼んで下さいね。
      車の中で「時代」を歌い続けた十何年でしたー。

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