2022/07/31

楽しかったワークショップ




金曜日の晩に、ちょっと離れた町の病院の血管外科で、静脈血栓症エコー検査のワークショップがあったので、頑張って行ってきた。
静脈血栓症というのは肺血栓塞栓症に繋がる非常に重要な問題で、このエコー検査がちゃんと出来るかどうかが、患者さんの生死を分ける事だってあり得る。ところが家庭医では、実際に使う頻度が低いため、どうしても経験不足・練習不足になりがち。
なので、片道1ー2時間位のところでワークショップがあれば、都合がつく限り必ず行くようにしている。

開業医って自分一人なので、医者同士で小さな疑問を解決し合う機会は本当に貴重。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」とは正にその通りで、行ったからには見栄などかなぐり捨てて、阿呆な質問でも、どんどんしちゃう。

ワークショップの前には講演があった。新人時代と違って、講演の大半は既知の内容で退屈だったりするのだけれど、一つでも二つでも収穫があればそれでよし!と思う事にしている。それに知っている事はわざわざ読んで復習しないので、耳にタコができる程聞かせてくれるのは或る意味有難い。
昔のボスが「勉強会は講演そのものよりも休憩時のトークに黄金の価値がある」と言っていたけれど、それも正にその通りで、こればかりはオンライン勉強会では得られない。何気ないお喋りの中に目から鱗の事がポロポロと出てきたりするので、こちらからどんどん話しかける。




本当は20時までのプログラムだったのだけれど、ほぼ全員21時頃まで居て順番に血管外科のトップの指導を受け、それを囲んでああだこうだと議論して、置いてあるサンドイッチなどを落ち着いて食べる暇もない位の充実ぶりだった。
まるで遊びに行った帰りみたいなちょっとハイな気分でウキウキ帰宅。
空腹では眠れないかと思ったのだけれど、流石に疲れ果てていて、帰宅してすぐ眠ってしまった。




翌朝、自分で復習。
不確かだった細部が色々と明確になった感じ。

YouTubeに超音波検査の親切な講座が色々と出ている事を発見し、「時代が変わったのねー」と感心して、あれこれ見てしまった。いやー、素晴らしいわ。

ドイツの家庭医は、器械を使う診断は専門医に任せる事が多い。だから、超音波器械も負荷心電図も、持っていない家庭医も少なくない。でも、これが救急度の判断の決め手となって命を救う事もあるので、この二つだけは奮発して買ったのだ。
「高い器械なのに余り使わないし、点検などの維持費も高いし・・・」と言われるけれど、お金として元は取れなくても、人の命はお金で買えないでしょ。





にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ  

8 件のコメント:

  1. お疲れ様。先生もこうやって、弾い勉強しているんですね。
    復習もして、偉いなぁ!感心するよ。ファイトです!

    返信削除
    返信
    1. mさん、こんにちは。
      しょっちゅう使う事は頭と体が覚えているのですが、滅多に使わない事はどうしてもぼやけてしまうので、時々ガツーンと勉強しに行く事はとっても大事です。

      削除
  2. エコー画面を見ても(恐らく説明してもらっても)素人にはサッパリなので
    美しいおみ足を拡大して見入ってしまいました(笑)

    1週間の仕事が終わってから片道1〜2時間かけて勉強会ですか〜、、、
    私なんか1週間の最終日はもう勤務時間中から船漕いでますけど(汗
    鼻水が止まらなくて、とうとうかかったかと思ってたら
    帰宅して3時間ほど眠ったら治ったという、、、睡眠不足は一番ダメですね

    くまさんも、お休みはゆっくりのんびり出来ますように

    そうか、感染して回復したということは、ある意味最強の免疫がついてるんですよね
    しかもワクチンカクテル4回ですし!
    半年くらいはコロナは安心ですね!

    返信削除
    返信
    1. 燕さん、こんにちは。
      あはは、どこかにぶつけた青痣つきですが(しかも昨晩のお風呂の時には、更に増えていた。何やってんだか)。
      コロナ以来オンライン勉強会ばかりだったので、ワークショップが開催されたのは本当に久しぶりでした。

      削除
  3. ドイツの私の住む町では、色々と医者を巡ったけど解決せずに結局日本へ帰国して治療して解決、って話を何度も聞いたことがあります。ミュンヘンなんですけどね、、相性が悪いのか、親身になってくれる先生というのは5%ぐらい、っていうのが私自身の体感でもあります。将来ここで年をとっていくのが怖いです。 くま先生の近くに住みたいです。涙

    返信削除
    返信
    1. ももさん、こんにちは。
      うーん、まあ、当たり外れというか、合う合わないはありますよね。特に日本人は我慢とか遠慮とかがあって余り苦しさを主張しないので、症状を軽く見られがちかも。
      でも今の時代に家庭医になる人って、キャリアとかお金とかを或る意味捨てた人達なので、他の科よりは人間的な人の割合が高いのではないかと思います。諦めずに探し続けていれば、きっと出会えると思います!

      削除
  4. くま先生、こんにちは

    くま先生のおみ足、凄〜く綺麗!
    羨ましい限りです。
    なぜか私、夏になると虫さされの様な毛穴の炎症の様な湿疹かでき、加齢のせいか、なかなか治りません!笑
    膝から下だけなので皮膚科に行けば猫ノミに刺されたんでしょう…と言われます。( ̄▽ ̄;)
    猫飼っていませんが…と言うのですが…庭にも普通にいるから〜と言われます。
    ちなみに犬はいますが、ノミ1匹たりともいたのを見たことがありません。
    犬も刺さない猫ノミにやられているのだろうか…?
    くま先生みたいに綺麗な足だったらなぁ〜
    恥ずかしくて膝下が出るパンツもスカートも着れません。(涙)
    冬になると、なぜか治る…
    蚊に刺された跡もなかなか消えないお年頃…若い頃はすぐに消えたのになぁ〜

    返信削除
  5. RINKOさん、こんにちは。
    小さな写真なので誤魔化されていますが、実物には虫食いやら痣やらいっぱいありますー。傷跡もいちいちシミになって残ってしまうし。
    でも、膝下だけ、夏だけって、何でしょうね。別の皮膚科に行ってみたら如何でしょうか。

    返信削除

「コメントの投稿者として表示するID:」のところは、「名前/URL」を選択して、ハンドルネームを入力してください。URLはお持ちでなければ空欄のままでも大丈夫です。
「匿名」を選ぶと、ハンドルネームの入力はできず、「匿名」と表示されます。「匿名」の方には基本的にお返事しません。