2024/08/26

夜警ツアー@Horb am Neckar



町のマルクト広場に夜20時集合の夜警ツアー。
うちの村は、この町に合併されて属しているので、隣町だけれど「うちの町」でもある。しかし、この町がオーストリアのものだった時代があって、ここの噴水に立っているのがハプスブルク家のライオンだとは知らなかったよ!




夜警というのは、娼婦と並ぶ、最も古い職業の一つなのだそう。
ホルプの最初の街灯は1837年で、それ以前は真っ暗な中、不審者、戸締り、火の始末などを見て回り、毎時角笛で時刻を知らせていた。
夜の市街地では、夜警が唯一絶対の権限を持っていたらしい。




市役所と夜警の建物は並んで建っており、夜警の伝統は、1937年に警察に取って代わられるまで続いた。(上の壁画の、右が夜警、左が警察。)
正確に言うと、「警察が『夜警』を名乗っても罰されなくなった」のだそうで、それ位夜警というものは重かったらしい。
皆が胸につけている赤白(銀)のワッペンはホルプの紋章で、建物中央の石の飾りも色が付いていないけれど同じもの。




首から下げている丸いポシェットみたいな物は、夜警の時計。




城門や外に通ずる道は勿論、きちんと閉ざされているか、不審者が侵入しようとしていないかなど、重要なチェックポイント。

街中の道端で酔い潰れている人とか、夜の出来事の面倒も見るので、ちょっと下品なネタ満載のツアー。
あと、「おらが町」愛に溢れているので、近隣都市や隣国を風刺するシャレや小話、歌。例えば「フロイデンシュタット(近くの大きな町)の人を家に入れるより、食卓にネズミが来る方がまし」とか。でもそれが炎上するでもなく、多分どこでも同じような事を言っているし、そもそも向こうの方が大きな町だから強いし(風刺は権力に対してするもので、弱い者叩きはシャレにならない)、皆で笑っておしまい。




監獄に使われていた塔。
城門の塔やお城の窓の雨戸は、どこでも王家や町、州の紋章の色になっている事が多いよ。




段々夜が更けていく中、夜警と共に旧市街を歩くのは、なかなか雰囲気があってよかったし、知らなかった事を聞き知るのは楽しい

余談:
ツアー中に車が一台来た。ちょっと場所を空けて通らせてあげるのかな、と思ったら、夜警の一人に追い返されていたのに、びっくり。強っ。



2 件のコメント:

  1. 夜警ツアー、楽しそう!
    前にどこかのヨーロッパの国での夜警をテレビで見た事がるよ。
    そっちの村にもあるんだね。
    コスチュームがカッコいいね。伝統を感じる。
    夜の村を歩くのも良いね。

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    1. mさん、こんにちは。
      とても楽しく興味深かったです!
      ホルプの町は、戦後新しくせずに復元していたら、ドイツ有数の観光地になった筈なのに・・・と言われている位、本来は素敵な町です。

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