2024/08/25

Vogtsbauernhof(4)黒い森の生活 P.S.


意外にも興味を示されたので、追加でもう一記事。
説明は裏付けなし、単なる私の感想です。読み流しておいてー。
因みにここの野外博物館では、色々な道具を実際に動かして見せてくれる実演もあるよ。




手前も奥もプレス機。
リンゴは木樽みたいなプレスが多く、手前のこれはアルザスでよく見かけるワインプレスに似ている。この辺はワインには日照が足りないと思うのだけれど。




鍛冶屋さん。左のところに家畜を固定して、蹄鉄を打つのだろう。
右の水車の壁の内側は・・・




こんな風になっている。巨大なふいご!




これも確か水車の力で切る仕組み。




巨大な重石で麻の繊維を潰して・・・




糸を紡ぐ。




我が家のダイニングルームを設計する時、実はここの家々の食堂も参考にしたの。
「家の中で一番明るくて、人が集まりたくなるコーナー」というのが、いいなあと思って。




右手はオーブンで、隣の部屋の暖房にも繋がっているみたい。
日本でも、私が子どもの頃の田舎には、まだ台所が土間の家があったので、何か懐かしい感じ。




これは1960-1970年代位の新しい生活。こういうスタイルの薪オーブン・コンロは、今でも使っている人が時々いる。暖房と兼ねられるし、電気に頼らずに済むというのは、いざという時に強いし。

そして横の棚。EUになる前はここじゃなくても冬に生野菜生果物が乏しくなるのは普通の事だったし、畑をやっていれば収穫期は一気に訪れるので、夏の間にせっせと保存食を作っておくのだ。
私が人生で一番繰り返し読んだ本は恐らく、ローラ・インガルス・ワイルダーの小さな家(←Amazonリンク)シリーズなのだけれど、国は違っても同じような事をしていて、凄く親近感を覚える。
(大分前、冬に「ドイツなのにWeckグラスの品揃えが悪い」と文句を言っている人がいたけれど、そんなの当たり前。ジャムやコンポートの類は夏に作るものだもの。)

また、りんごを保存するために作るりんご酒はこの辺では多分一番手軽な飲み物で、アルコールになりかけの半分ジュースの頃から飲むので、お酒に数えない人も多い。
因みにヘルマン・ヘッセの生まれ故郷は黒い森。「車輪の下」(←Amazonリンク)の舞台も黒い森で、りんご絞りを手伝って恋に落ちるシーンがあるね。

ああ、どちらも久しぶりに読みたくなってきたわ。





4 件のコメント:

  1. これらが見られて、嬉しい。
    リンゴのプレスの木樽やリンゴを保存するためのリンゴ酒、
    昔からシードルみたいなのが飲まれていたのだね。
    昔の台所は、興味深い!
    北海道でも今も冬は、ストーブの上で煮込みやおでんを
    作るよ!

    返信削除
    返信
    1. mさん、こんにちは。
      この辺りは葡萄には日照が足りず、畑もそんなに大々的にできないので、りんご酒が一番手軽だったようです。
      ああ、確かに。薪じゃなくても昔ながらのストーブは、その上で煮込みしますね!

      削除
  2. ありがとうございます。壁に掛かっている道具の取っ手の付き方なども興味深いです。麻の繊維を潰す道具というのは初めて見ました。
    義母が長野の出身で、義父の引退後しばらく二人で長野で暮らしていたのですが、りんごのちょっと干したのとか、ときどき送ってくれたのを思い出します。

    返信削除
    返信
    1. melisandさん、こんにちは。
      草刈り鎌ですね。↓こういう風に持って使います。
      https://germanmed.exblog.jp/22316312/
      麻の繊維を潰す器械、歯車も木製なので、しょっちゅう直さないといけなかったんじゃないかなあと思います。

      削除

「コメントの投稿者として表示するID:」のところは、Google IDをお持ちでなければ「名前/URL」を選択して、ハンドルネームを入力してください。
「匿名」を選ぶと、ハンドルネームの入力はできず、「匿名」と表示されます。「匿名」の方には基本的にお返事しません。