2025/07/01

Good Neighbors, Bad Times(1)


本当に久しぶりに、期日に追われながら本を読んでいた。

Good Neighbors, Bad Times」の著者が来るという。おお、ドイツ語訳が出たのか!慌てて注文し、届いてすぐに読み始めた。

私達の村Rexingenは、ユダヤ人コミュニティーが栄えた歴史を持ち、ナチスの時代になってからも、比較的長い間ユダヤとカトリックが共存できていたし、酷い迫害が少なかったという。
人口1300人程度のこんな小さな村に州最大のユダヤ人墓地があったり、ナチス初期の頃にイスラエルにグループ移住してShavei Zion(←英語Wiki。Historyのところにレキシンゲンの名が出ている)を作ったりしている。

著者の父親はレキシンゲン出身でアメリカに逃れ、アメリカで生まれ育った著者が、彼が亡くなった後にレキシンゲンへの興味を引き起こされ、人々にインタビューを重ね、本にまとめたもの。
ずっと読みたかったのだけれど、英語でこの内容を理解できるようにきちんと読むだけの気力がなかったのだ。

300ページ超えで、週末が1回あるから、土・日で100-150ページずつ読めばいけるか。
文学作品を一気に読むのとは違い、一語ずつ丁寧に、頻繁に調べながら読み進めるので、ドイツ語でも結構時間がかかったけれど、期日まで余裕を残し、無事読み終えた。

「藪の中」ほどではないものの、インタビューなので語る人によって差が出てきたり、著者自身の心の動きなど、非常に興味深かった。

そして、「許可を貰って住ませてもらっている」立場の外国人である私には、色々と身につまされる部分があった。
「今の世で?!」と驚かれるかも知れないけれど、実は私の人生の選択では、「医者なら役に立つから、真っ先には殺されないだろう」「追い出されたとしても、医者のスキルがあればどこかの国で生きていけるだろう」とか、「森に囲まれていれば逃げ場がある」「泉の傍なら飲み水には困らない」「広い庭があればトイレも作れるし、火も起こせる」などなど、色々な事態は常に頭の片隅にあってきた。
そんな私が、終の棲家としてここレキシンゲンを選んだ理由の中で、自覚していなかった部分を、改めて教えて貰った感じ。




基本的には辞書をひくのだけれど、知らない食べ物などネット検索すると、写真が出てきて、想像しやすくなる。

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当日の朝、ホルプの旧市街まで出掛けて予習。




第15章に登場する、元修道院。影になっている部分の中庭がとっても素敵。




三位一体を描いた壁画。

1938年に描かれ、片隅にヘブライ語で「神」と書かれていたため、すぐにナチスに黒塗りされたという。これはそれを修復したもの。




ついでに、本の中で余りにも度々登場するので食べたくなってしまった
「シナモン、小麦粉、ココア、ナッツ、そして分厚いラズベリージャムの層からなる暗色のケーキ」を買ってきた。
私の中では冬に食べるイメージで、いつも行かないお店でやっと見つけた。

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