2025/02/09

胃腸風邪(嘔吐下痢)の話し


ずっと前に「いつか嘔吐下痢について書きましょう」とお約束したままになっていました。

ウィルス性や食中毒の胃腸炎で医者ができる事は少なく、せいぜい点滴で水分補給したり、吐き気止めや下痢止めを出す事くらい。なので、苦労して医者にかかりに出掛ける必要はない事が殆どです。
ただ、間違った対応をしていると、脱水症状になったり、長引いたりする事もあるので、注意点を書いてみます。

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夜に始まる事が結構多いのだけれど、一夜目は薬なしで、まず出してしまう方がいいと思う。

その後は、嘔吐はしんどいので、酷ければ薬を使う。
下痢は、なるべく薬で止めず、全部出してしまう方が長引かないのだけれど、睡眠が取れないと参ってしまうので、二夜目からは、夜だけ下痢止めを使う事をお薦めしている。
週末や夜間でも、地域の薬局が当番制で開けているので、困った時には「Notfallapotheke+町名」で検索して下さい。

■ドイツで処方箋なしに買える一般的な薬
  • Iberogast:ハーブ薬で、胃のむかむかや腸痙攣をやわらげる。
  • Aktivkohle:下痢を止めるのでなく、毒素を吸収して排出を助ける。
  • Vomex (成分名 Dimenhydrinat):吐き気止め。坐薬もあり。
  • Imodium (成分名 Loperamid):下痢止め。


私自身は薬は使わない事が多いので、うちにはこの二つとしかない。

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大事なのは、水分補給だけ。
大人でも子どもでも、水分補給さえしっかりしていれば、大丈夫。
尿の色と量が普通であれば、足りています。
嘔吐が止まらない場合は、吐き気止めの薬を飲んで(それすら無理なら坐薬)、15分位待ってから。一度に沢山飲まず、少しずつ、少しずつ。
また、乳幼児や後期高齢者でなければ、半日位なら水分補給しなくても何とかなるので、頑張り過ぎず、少し収まってきてからでも大丈夫。
ただ、既に脱水症状になってしまうと、脱水症状からの吐き気も加わって飲めなくなってしまうので、そうならないうちに努力する事が大切。

■水分補給が足りていない危険信号
  • 尿の色が濃く、量が少ない
  • 口の中が濡れていない
  • 赤ちゃんが泣いても涙が少ない
  • 大人のお腹や腕の肌をつまんで、その部分が戻らずに立ったまま
これが改善されなかったら点滴が必要になるのだけれど、気を付けて努力していたら、普通はそういう事態にはならない。
私自身は胃腸風邪の時は、何も入れない紅茶が一番好き。

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消化吸収というのは胃腸にとって「仕事」なので、病気の時にはさせない方がいい。なので、無理して食べず、どうしてもお腹が空いた時には少しだけ、消化のよいものを。
子どもはすぐにげっそり痩せるけれど、元気になったらすぐに戻るので、心配し過ぎず。但し活動は、できる限りの省エネモードで。

■私のお薦め
  • バナナ、3分の1以下(子どもならもっと少し)
  • 何も塗らないドイツの白パン、ほんの一片(日本のパンは色々入っていて重いので駄目)
  • 具のない、精進出汁の澄まし汁(鰹節を使わす、昆布・椎茸だけ)
これですら出てくるようでは、まだ時期尚早なので、飲み物だけの絶食を続ける。ここで無理に食べると、それが出てしまうまで嘔吐下痢をまた繰り返すので消耗するし、長引きます。

これが問題なければ、少しずつ量を増やしても大丈夫。
御粥は米粒が崩れる位にしないと、意外に消化が悪い。それよりは、にゅうめんの方が元が粉なので消化がいい。いずれにしても、元気な時なら数口で食べられる位の、ほんの少量にしておき、その後1時間位は様子見をすること。

■避けた方がよいもの
  • 酸のある果物
  • 浸透圧の強いもの(糖分・塩分とも)
  • 脂質
  • 動物性のもの(卵や乳製品も)
乳児には普通におっぱいを飲ませて大丈夫です。脱水の心配がある場合は、合い間に白湯などを飲ませて。

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もっと詳しい過去記事

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余談:
小さかった頃、正露丸を飲むのが本当に嫌だった。確かに効くのだけれど、あの臭いがどうしようもなく嫌で、だからお腹が痛いのを必死に我慢して、なるべく黙っていたり。
瓶の中の正露丸が毎回減っていくのだけが内心の喜びで、或る日、遂に、最後の一粒を飲んだ!やったぜ、アタシ!
と思ったら、母が押し入れの奥から、その何倍も大きな新しい瓶を出してきた。あの時の絶望感と言ったら。そのシーンは今でも目に焼き付いている。





10 件のコメント:

  1. ハトポッポ時計9/2/25 13:12

    嘔吐は一度、うどん屋さんの大海老の天ぷらにあたって大変な事にただ最後まで吐ききったら、グングンと回復しました。
    読みながら正露丸が頭に浮かびましたら、余談に正露丸が!小学校の保健室からよくあの匂いがしていました。

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    1. ハトポッポ時計さん、こんにちは。
      ああ、保健室の匂いも独特でしたねー。私の時は、正露丸よりも消毒薬の匂いだったかな。

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  2. お誕生日おめでとうございました。
    いつも、拝読しています。

    胃腸風邪の話、待ってました。ありがとうございます。

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    1. kikiさん、有難うございます。
      胃腸風邪、これでよかったでしょうか。
      不足がありましたら、質問して下さい。

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  3. ゆきうさぎ10/2/25 20:17

    くまさん お誕生日遅ればせながらおめでとうございます。㊗️
    糖尿の食事アドバイス頂いた者です。HN設定出来ましたー。私は子どもの頃アセトン血性嘔吐症で地獄を見ました。(正直 何度も入院、点滴)大学入って心理学の本に「ワガママな子がなる」との記述があり ガーン!でした…今は全然無いので有難いです。回復時の飢餓感が忘れられないです。
    正露丸、懐かしいですね。

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    1. ゆきうさぎさん、有難うございます。
      アセトン血性嘔吐症・・・こちらでは糖尿病限定のような感じで、自家中毒というのも聞いた事がない気がします。東洋人はもともと血糖値が上下しやすいので、そのせいでしょうかね。ワガママのせいではないでしょう!

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  4. ひかり11/2/25 01:57

    正露丸の臭いは確かに子どもには(いや誰でもか)なかなかですよね。
    思い返すと臭いが蘇ってきちゃう。
    我が家は小学生の頃何故か養命酒を飲まされていました。
    あれも辛かった…

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    1. ひかりさん、こんにちは。
      小学生に養命酒!飲んだ事ないけど、辛そうなのは想像できます。
      幼稚園の時のドクダミ茶も嫌だったなー。

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  5. 詳しく書いて下さってありがとうございます。脱水症状のチェックの仕方等参考になります。
    スリランカあたりではレモンティーはお腹を壊したときに飲むらしいという話を思い出しました。くまさんのお話では酸味は強くない方がよいということですが、ミルクを入れない、つまり乳脂肪を避けるということかなと思いました。

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    1. melisandさん、こんにちは。
      レモンの味で口がさっぱりするというのはあるかも知れませんね。
      犬養道子さんの本で、確かイギリス人の、「起きて一番に、何も入れない紅茶がチフス予防になる」という言葉が紹介されていて、それにもつながる感じかしら。スリランカは紅茶の産地ですものね。

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