「ドイツの医学部は、入るのはとても難しいけれど、出るのはとても簡単」という言葉を伝え聞いて紹介している人がいて、その人の解釈は「入ってしまえば、あとは楽勝らしい」。他にも、「国家試験の合格率が高いから、入ってしまえば大丈夫!」という留学紹介サイトも見かけた。
それ、重要な真ん中がすっぽ抜けているので、誤解のないよう、ここに書いておきます。
出るのが簡単なのは、その前に盛大にふるい落とされていくから、そして鍛えられて慣れていくからです!
ドイツの医学部では、国家試験に相当する大きな試験が私の時代には計四つあった(一つ目の試験は国家試験という名称ではないのだけれど、大学ではなく州の試験局が取り仕切るもので、実質は国家試験と変わらない)。
それぞれ基本的に一生に2回までしか受験できず、それで通らなければ退学するしかなくなる(国家試験なので別の大学に入り直して再受験という道もない)ため、合格できる見込みがなければ、そもそも受けません。だから、国家試験の合格率自体は高い。
やめる人は大体、その一つ目の試験(2年修了時)を越えずにやめるので、その時点で同級生は半数位に減っていた。母国語人、しかも「入るのはとても難しい」のに入れた子達の話しである。
そして、そういう試験を既に三つクリアしてきた人達が、四つ目で落ちる事はまずない。試験を重ねると勉強の仕方も判ってくるから、そんなに追い詰められなくなる。最初の試験では泣きながら勉強していたような子達が、卒業が近づく頃には結構余裕で淡々とこなしていくようになっていたりする。
「出るのは簡単」とは、そういう意味なのだー。
(真ん中辺りの「GK1」というのが過去問集)
今思えば全然大した事ない量だったのに、
当時はこれでいっぱいいっぱい。サバイバル気分だった。
第1回国家試験(二つ目)
↓
(疲れたら気分転換にCD-ROMの過去問集をやる。)
(真ん中に開いてある本は「これだけ丸暗記」の類で、説明が少ないので他の教科書で調べながら勉強する。)
(また次の過去問集)
(留守宅の寂しがりウサギを預かった。)
(私は単語カード派、夫はポストイット派。)
↓
第2回国家試験(三つ目、メイン)
↓
更に勉強して・・・
↓
第3回国家試験(四つ目、最終)
てな感じでしたー♪ 苔むす迄じゃないけれど、窓際のポトスが鬱蒼と茂る迄こういう毎日を過ごすと、出る頃にはもう息するのと同じ位自然に勉強しているし、アクシデントさえなければ合格できるのは自分で判っているので、まあ楽勝とか簡単とか言えなくもないけれど、そうなる経緯をすっぽ抜かした言葉を信じるのは、ちょっと違うかな。
関連過去記事:
普段の試験はもっとじゃんじゃん落とされて鍛えられる。
国家試験は、過去問を実際にタイムを計ってやってみて正答率を見たり、自分の勉強のスピードなど考慮して、いけると思えば受験する。それでも当日に何が起きるか判らないし、口述試験もあるし、恐ろしや恐ろしや・・・だった。






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