2023/12/31

冬休みの遊び


冬休みが始まってすぐ、誰かさんがまた「・・・風邪気味みたい。起きられない」と言い出した。
こぐま達とボウリングに行く約束をしていた数日前だったので、まあ無理に起こさず、ずーっと寝かせておいた。

当日「・・・キャンセルできないかな」
できません。晩の予約だから、それ迄には起きてね。
(ちょっと可哀想なのだけれど、放っておいたら何週間でも寝ているし、それでもしんどがる。えいやっと起きて体を動かすと、気分もよくなって、結果的に苦しくなくなるの。だからタイミングを見計らって、ちょっと無理強いしちゃう。但し結果オーライにならないと凄く恨まれるので、その匙加減が凄く難しい。)

何とか起きて、シャワーを浴び、ボウリングに行ったら、それでも勝ってやんの。ちぇっ。今回はチャンスだと思ったのに。




ドタキャンに慣れてしまっているこぐま達が不憫なので、ちゃんとみんなで行けてよかった!




妹こぐまの魔球動画(音が出ます)。

ボウリングした後はやっぱり調子がよくなって、溜まっていた書類を片付けたり、兄こぐまとトレーニング(めっちゃ久々!)をしたりしていた。
ね、無理も大事。

その翌々日はアイススケート。
これは朝からなので無理かも・・・と思っていたのだけれど、ちゃんと起きた!
前回夫が一緒に行ったのなんて、もう2年前だよ。まだコロナのテスト会場に行って陰性証明を持って行って入れて貰う、という時だった。




楽しい動画も色々撮ったのだけれど、人の顔だらけで、ここではお見せできないのが残念。

私達は昨シーズン以来だったのだけれど、凄ーく嬉しい驚きだったのは、私の体力が去年よりもずっとあった事。去年は2、3周もしたら休憩しないといけなくて、体があたたまらなくて足も攣ってきたのに、今年は暑くなってセーターを脱ぐまで滑り続ける事ができて、足も結構ちゃんと言う事を聞いてくれた♪
体が資本なので、これは本当に嬉しい。やっぱり1年間仕事をペースダウンして体を休めて大正解だったと思う。これならまたペースアップしても、きっと大丈夫。

こぐま達は帰りの車の中で既に「次、いつ行く?」だって。はいはい、計画立てようね。一緒に行くファミリー募集中♪





2023/12/29

ドイツ家庭医院の経営の話し



貰った時に笑い転げてしまった、ガラス細工のハエ。
蠅なんて大嫌いなのだけれど、この子の目と口がめっちゃ可愛い。

書きかけで放置してあった記事が沢山あるので、どんどん行きます♪
今日のは長いよ。

お金の話しは書くのが難しいのだけれど、でも全く関係ない世界のそういう突っ込んだ話しが面白い事もあるので、ちょっと書いてみます。
いちいち断り書きしませんが、全部「ドイツの」「家庭医院の」「私が知る範囲の」話しで、国や科によって事情は全く異なりますので、誤解のないよう。

* * * * *

開業医と言えば、多分お金持ちのイメージ。私なんて昔は、「億単位のお金をかけて開業」とか聞けば、「へえー、それだけ儲かるんだ」と斜めに見ていた。
以前にも書いたけれど、ドイツでは、家庭医の平均収入は他の専門医と較べて恐らく最低だけれど、それですら動くお金は大きい。そりゃ、保険税金は勿論として、設備を整え、何人も雇って給料を払い、家賃・光熱費などの経費や維持費を払うのだから、入る額も出る額も、雇われだった時とは文字通り桁違いな訳で、ちょっと想像を超える、未だに現実離れした感じ。

出入りが大きいからと言って、懐に入る分が必ずしも多いという訳ではない。ただ、定給で雇われているのと違って、やり方次第で収入を増やそうと思えば増やせる、そこが違う。
例えば私は、急患以外の普通の予約は20分枠というのんびりペースで入れている。単純計算で考えれば、それを10分枠にしたら2倍、5分枠にしたら4倍稼げる訳。
ローンを組んだ銀行から送り込まれた経営アドバイザーを私が契約継続しなかったのは、一つの枠を短くしろとか、鍼灸を二部屋同時進行でしろとか、そういう方向での効率アップを提案してきたから。まあ銀行の手先としては、どんどん詰め込んで、がんがん稼いで欲しいわな。
でも効率アップによって自分のキャパを超えると、見逃しやミスが出がちになるので、開業してやっと自分で決められる今、もうそこは譲らない。
ただ実際には、内容によって20分かからずに済む事も結構あって、急患や、風邪のオンライン診療をそこに入れる。でもそれって、最初から詰められているのとはプレッシャーが全然違うのだ。

念のために言うと、「詰め込んでいる医院=お金のためにやっている」という訳では、決してない。お願いされたら断れないのは日本人だけではなく、医者というのは人助けをしたくてなったという人が多いので、自分のキャパの線引きは凄く難しいの。

私は経営者としてはまだまだ新米なので、経営に関する決断は本当に難しい。
それに、今働いたお金が入ってくるのが数か月後なので、軌道修正しても結果が出るまでに随分長くて、「しまった!」と思ってからが長い。

兎に角ややこしい収入の内容や入金日もまだきちんと把握できていなくて、待ち焦がれていた入金が、血の気が引いて「こんなんで足りるかー!」とちゃぶ台をひっくり返したくなる位少なくて、支払いの度に身を切られるような思いをしていたら、予期していない時に「あ、入ってるわ」とまた息ができるようになったり(今ココ)。本当はその辺もう少しちゃんとしなくちゃいけないのだけれど、余りそこに時間と労力を割きたくない。というのはただの言い訳で、実際には、動く額が日常生活とは桁違いで、簡単にやりくりできない大きさなので、目を背けていたい現実逃避の部分が大きいかも。あかんのう。
でも年末前には、流石に落ち着いて向き合って計算しました。倒産した例も身近に複数知っているし、スタッフの生活も背負っているからね。

ま、色々と方向転換やら調整やらを繰り返して、最善の道を探していこう。
絶対に潰させませんし、資本の体は大事にしていますので、ご心配なく。


余談:
プライベート保険や自費診療の患者さんがお金になるというのは、普通の家庭医にとっては、今は昔。
プライベート保険の点数表は、何と1982年(1996年にごく一部改正)のもの。しかも手術や専門医の特殊な検査などと違い、家庭医が普通に請求できるものは元々点数が低い。
例えば普通に15分位かけて診察して処方箋を出して、21.44ユーロ。そこから、税金や維持経費は勿論のこと、請求から振込確認までの時間外事務の時給、請求書の切手代プリント代まで引かないといけない訳で、大体3分の1位しか残らないと言われている
往診でも、電気屋さんに出張修理を頼むより安いので、請求書を出して「少ない!」と驚かれる事もよくあるのだけれど、点数表通りにしていると、そうなる。
それでも特別扱いを求めたり、支払いを渋る人もいるのよ。更に支払い忘れとか金額間違いがあったらいちいち連絡しないといけなくて、気を遣うし手間も掛かる。
そもそも請求書は、うっかり請求し過ぎたら(例えば予定していた事を結局やらなかったのを消し忘れたりとか)犯罪になりかねないし、逆に予定外にした事を請求し忘れたら只働きになるので、もの凄く気を遣う作業。実際にやった事は自分達しか知らないので、外注してもここが楽になる訳じゃない。
だから家庭医のところでは、公的保険で肩身の狭い思いは不要です!




今はこういう気分。なので大丈夫よ。



「兎の眼」灰谷健次郎
(↑Amazonリンク)
蠅と言えば・・・で、久しぶりに読んだ。
このヒロイズムというか、カッコよさというか、
そう上手くいくかよ!という設定に踊らされる感じが、
実はちょっと苦手な「大人」になってしまったけれど、
読むとやっぱり子どもの頃の純粋な気持ちを思い出す。





2023/12/28

ベルリンの壁


偶然通りかかって、ベルリンの壁を見た。




結構薄いのね。セルフィーしている若者達がいたけれど、とてもそんな気持ちにはなれなかった。




壁を越えようとして両脚を撃ち抜かれ、監獄病院で適当に手術されたので脚が曲がったまま固まってしまった。
胸一面に、レーザーとかではなく肌を壊して刺青を消した傷跡。「ドイツ連邦共和国(旧西ドイツのこと)」と入れてあったのだという。それ程、西に行きたかった訳だけれど、消したにも理由がある訳で。
リハビリに来たけれど、恐怖症や不安症が酷くて「やっぱり無理」とすぐに中断して帰って行った。

彼にとって一番たまらないのは、壁があっさりなくなって、今はその存在を知らない人までいる事だと言っていた。(壁がなくなったのは勿論嬉しいのだけれど、自分が命懸けでやった行為、そのために一生引きずる事になった苦痛は、ただのやり損やったないか、というところ。)

空港のお土産物屋さんには、未だに壁の欠片が並んでいた。ちょっと欲しくなるような展示になっていたけれど、彼を知った私には重過ぎて。
今、どうしているんだろう。と、時々思い起こす。





2023/12/27

ブリューゲルへの旅、その三


もう大分前になってしまったけれど、ベルリン旅行の続き。

ベルリン到着から勉強会が始まるまでに1-2時間ある。どうしようかな、と考えて、よし!折角お荷物なしの一人旅なんだから、行った事のない美術館に行こう!と。時間がないので、行き方や内容など、予習しておいた。




ここのブリューゲル三点は、ウィーンのほど好みじゃなかったけれど、背景のこういう景色がやっぱりきれいだなあ。




オランダの諺を集めた絵の中に、イソップみたいなのを見つけた。オランダではどういう内容の諺なんだろう。




フェルメール二点(この写真の両端)、凄くよかった。
惜しむらくは、照明が悪く、壁の下部が白いので、かなり反射して見にくいこと。絵から大分離れたり、斜めから見たりしないといけなかった。しかも珍しくガラスが嵌められていて、更にそのガラスが汚れていた。




ちょっとー、三銃士の世界やないの!いやーん、かっこいいわ♡
(私の憧れの王子様はアトスだったけれど、これはダルタニャンっぽいなと、勝手に自分のイメージ。これ位斜めからじゃないと、反射して彼の顔が見えない。)




なんで、こういうフワフワ感が出るんだろう。いやー、素敵。




レンブラントでは、これが好きだった。

これらのオランダ絵画を見ていて、年代を見て、船の絵を見て、「そうか!大航海時代の栄華のオランダか!」とやっと気付いた。
今迄「・・・何でオランダ?」という感じで、全然ピンときていなかったのが、やっと学校で習った歴史と繋がった。

小学生位の子ども達の授業をしているのも見かけた。こちらの子ども達って、図版とかじゃなくて、実際に美術館に行って、その絵の前に座って先生の説明を聞いたりしているの。初めて見かけた時は凄く感心した。
私の受けた教育だと、歴史も美術も全部本の中の事という感じで、今回みたいにリアルと繋がると「おお!」と思うのだけれど、遅いよ・・・。

教科書に出てくるような絵も何点もあったけれど、絵ってやっぱり好みの問題で、どんなに有名でも自分の好みでなければ、感心はするけれど結局「ふーん」になってしまうのね。あと、私はやっぱり美しいモチーフをうっとり眺めるのが好きなんだなと改めて気付いた。

翌日、勉強会が終わって帰りの便までにまた1ー2時間あったので、二日連続で行ってしまった。見られる時に見ておくのだ♪




入り口で貰える館内見取り図はレンブラントすら書いていない簡略さなので、予習は必須です。


(↓Amazonリンク)
私がドイツまで持ってきたのは、これ。






2023/12/25

冬休みに当番医


医院は1週間、学校は2週間の冬休みに入りました。
でも現在ゲルピンの私は、幾つか当番医を入れてある。どうせ冬休みは大きな予定はなかったし、普段の週末にバイトするよりも、休み中の方が体が楽だもの。

開院以来、全速力で突っ走って、週80時間労働とかしていた状態から、一旦ブレーキをかけて、もうすぐ1年。
その間にスタッフも増えて余裕ができたし、うちの患者さん達の状態は大体落ち着いたので、新規患者さんも再開する事に決めました。
(新規というのは、今迄の病歴を辿ったり、一度全身チェックをしたり、常用薬の調整をしたりで、落ち着く迄する事がかなり沢山ある。)
私自身、この1年で疲労回復ができた。あのまま走り続けていたら、絶対にいつか走れなくなっていたと思うもの。
この1年は我が家にしては贅沢・豪遊してしまったのがちょっと迂闊だったかなという感もあるけれど、ずーっと我慢我慢で来て、ここでパーッと楽しんだのはよかった、楽しんだからまた暫く我慢できる、と思う。

今働いたお金が入ってくるのが数か月後なので、ゲルピン状態は暫く続くけれど、もっともっと酷い状態を経験済みなので、余り心配していない。それに、必要なら自分でペースを上げられるって、本当に恵まれた有難い状態だと思う。

* * * * *

以前ちらっと書いたけれど、うちの州の当番医システムが大揺れしている。

当番医というのは、開業医に割り当てられるのだけれど、年齢とか専門の科によって「自分は無理」と思う人は、バイトとしてやりたい非開業医に個人的に譲っていて、それで全体が回っていた。
ところがこの度、「登録していない人に仕事を流すって社会保険的にどうよ?」という話しになり、突如禁止された。
開業医同士は、引き続き公に譲る事ができるのだけれど、これはやりたい人が圧倒的に少ない。自分の医院の仕事の傍らでとなるとやっぱり自分の体が一番大事で、逆にお金を上乗せしてでも譲ってしまいたい人が多い位なの。

それで、大騒ぎ。
保険医組合のサイトにログインすると、当番医のリストが見られるのだけれど、今迄見た事もなかった(つまり常に譲っていた)専門医の名前がいっぱい並んでいる。

私がこの冬休みに引き受けてあげたのは、耳鼻科医と泌尿器科医の分。
もうね、想像するだけで悲劇。医者も患者も可哀想!だって当番外来って、腹痛から外傷まで、ありとあらゆる患者さんが来るんだよ。超スペシャリストに、それやらせる?
なので、私の臨時収入だけじゃなくて、人助けにもなると思って、頑張るのだ。




外来開始前。




スマホの写真だとおいしそうに見えないけれど、前の晩の残りのお弁当。
この日はかなり一杯で、辛うじてお昼休憩を少し取れた以外は休憩なし、ぶっ通しで60人強診た。風邪をこじらせたのが大半で、裂傷とか抜糸も。

なんとなんと、元々の当番だった泌尿器科医が、発泡酒を持って病院までわざわざお礼を言いに来てくれた。私の申し出を見て、奥さんと一緒に「助かったー!」と喜んだのだそう。「お、ラッキー♪」程度かと思っていたので、びっくりした。そこまで喜んで貰えれば、私も引き受けた甲斐があったというものだな。

いつもと違う仕事をするというのは、気分転換になって楽しい。居て当たり前の家庭医と違って、週末や夜間の当番医というのは凄ーく有難がられるしね。心地よい疲労感でした。
次は24時間往診当番医。この調子でガンバロウ。